リフォームしたいけれど、壊せる壁と壊せない壁があると聞いて難しそうとお考えではありませんか。そこで本記事ではそんなお悩みを払拭すべく、壊せる壁、壊せない壁に配慮した間取り変更リフォームについて解説します。この記事を最後までお読みいただければ、あなたの間取り変更リフォームに対する不安は劇的に改善することでしょう。
CONTENTS
間取り変更リフォームの基本を知ろう
一度購入した家は、ずっと同じ間取りのまま住むのではなく、家族構成やライフスタイルの変化によって、間取りを上手に変更することで、いつまでも快適に住み続けることが可能になります。ここでは、間取り変更リフォームの基本について解説します。
一般住宅の構造
一般住宅の構造は、主に以下の2種類いずれかの工法で建築されています。
・木造軸組工法(在来工法)
在来工法の住宅は、筋交いのある壁や、壁自体が耐力壁となっている箇所が多く存在します。壁を壊し間取りを変更したい場合は、筋交いのない壁や耐力壁になっていない壁を解体することになります。
・木造枠組壁工法(2×4工法)
2×4工法の住宅は、壁自体が面で建物を支えている構造となっています。そのため、壁を解体してしまうと強度を失ってしまうため、基本的に壁を壊すことは難しい構造となっています。
マンションの構造
マンションの構造は、鉄筋コンクリート造(RC造)が一般的です。さらにRC造には2種類あり「ラーメン構造」と「壁式構造」に分けられます。
・RC造(ラーメン構造)
ラーメン構造のマンションは、柱と梁で建物の荷重を支える構造となっています。耐力壁がないため、壁を壊し間取り変更しやすい構造だといえます。ただし、天井の梁など、建物の荷重を支える箇所は取り除けないため美観に注意が必要です。
・RC造(壁式構造)
壁式構造のマンションは、鉄筋コンクリートで造られた壁が建物を支える構造となっています。柱や梁がないすっきりとした空間となっていることが特徴です。ただし、耐力壁には壊したり、開口部は設置したりできないため、間取り変更がしづらい構造となっています。
壊せる壁と壊せない壁がある?違いを理解しよう
間取り変更したいといっても、どの壁でも壊していいわけではなく、建物の支えとなっている壁は壊してはいけません。ここでは、壊せる壁と壊せない壁の違いについて解説します。
壊せる壁
・間仕切り壁
居室を区切るためのみに設けられた壁を間仕切り壁といいます。間仕切り壁は、建物の支えとは関係ないため、壊しても問題ありません。
・腰壁
床から90~120㎝程度の高さに立ち上がった壁を腰壁といいます。腰壁は建物の支えには関係ないため、壁を壊しても問題ありません。
壊せない壁
・筋交い壁
柱と柱の間を斜めに部材が走る壁を筋交い壁といいます。筋交いは建物の耐震性を向上させる目的で設置されたものであるため、筋交い壁を壊してはいけません。
・耐力壁
建物を支える役割を持つ耐力壁は、建物を支える一部として機能しているため、壊してはいけません。
・マンションパイプスペースの壁
マンションパイプスペースの壁は、縦方向に配管を通すための空間であるため、移動したり、壁を壊したりできません。
間取り変更リフォームのポイント
建物において壁は重要な役割を果たしているため、リフォーム前にはあらかじめ押さえておきたいポイントがあります。ここでは、間取り変更リフォームのポイントについて解説します。
一般住宅では耐震性に注意する
建物における耐震性の目安となるものが耐震基準です。1981年(昭和56年)以前の建物は「旧耐震基準」をもとに建築されており、間仕切り壁であった場合でも、むやみに壊してしまうと著しい耐震性の低下に繋がるリスクがありますので、事前に専門家の指導を仰ぎましょう。
マンションでは管理規約をチェックする
マンションの場合、管理規約でリフォームに関する取り決めが定められています。水まわりの移動禁止など、構造上では影響を及ぼさない工事であっても、規約によって制限されている場合もありますので、事前のチェックが必要です。
家具の配置場所を考慮する
間仕切り壁を壊せば開放的なスペースが確保できます。ですが、間仕切り壁がなくなればテレビや机などの家具の置き場所が減り、不自然な家具配置になるリスクもあります。そのため、壁を壊す際には、事前にどのように家具を配置するのか計画することが重要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は壊せる壁と壊せない壁を考慮した間取り変更リフォームについて解説しました。間取り変更リフォームの基本は、建物の構造によって壊せる壁が異なるということです。
建物の構造に関わる壁については、リフォームで壊してはいけません。壊せるかどうかの判断は、素人には見極めが難しいため、必ず専門家に相談するようにしましょう。また、一般住宅では耐震性、マンションでは管理規約、家具の配置などを考慮したリフォームにしなければなりません。
「この壁は壊せる?」「こんな間取りは実現可能?」など、リフォームに関する疑問をお持ちであれば、ぜひこの記事にある内容を参考に、素敵なリフォームを実現してください。